皆さんは、平成元年に北海道の旭岳で起きた『SOS遭難事件』をご存知ですか?
2022年8月10日に放送予定の『世界の何だコレ!?ミステリー』内で放送される『北海道SOS遭難事件』について解説します。
通報を受けた行方不明の遭難者2名を救助に向かったヘリコプターが偶然見つけた白樺で出来た『SOS』の文字を手がかりに、
周辺を捜索すると、すでに白骨化した遺体が見つかったお話しです。
この事件にはまだいくつかの謎が残されています・・・
北海道『SOS遭難事件』実際の写真

平成元年7月24日の午後に、北海道の黒岳から旭岳を登山中に行方不明になった、東京の男性2名を捜索中の
北海道警察のヘリコプターが見つけたSOSの文字。
これを頼りに、北へ2キロほど行った所で無事男性2名を救助した北海道警察は、
救助した男性2名に目印のことを話すと、2人ともそんなものは知らないといいます。
他にも遭難者がいるとみた北海道警察は、翌日再捜索に向かいます。
すると、そこには人骨と人骨になった人の所有物だったと見られる遺留品が複数見つかりました。

謎①見落とされていたSOS

この白樺の木で作成されたSOSは、平成元年の遭難者救助より2年前(昭和62年)に、
林野庁が地形図作成のために撮影した空中写真でも確認できたそうです。
その時には特に気にもされなかった様子です。
完全に見落とされていたのでしょうか?
そしてこのエリアにはさらに遡ること5年前の昭和59年7月には登山中の男性の行方不明の届出がされていましたが、
その際に捜索が行われたのかどうかの記述は残っていません。
愛知県在住だった男性が登山中に行方不明になり出された行方不明届は、うやむやにされてしまった可能性もありますね。
謎②人骨は女性と鑑定された。

人骨は発見されてすぐ、旭川医科大学へ鑑定に出されました。
その際、人骨は推定年齢20〜40歳の女性のものであるとの鑑定結果が出ました。
これを受けて、遭難者は男女2名ということになり、
さらに周辺が捜索されることになりましたが、新たな人骨などが見つかるも、
女性のものと思われる様な遺留品は一切出てこなかったそうです。
結果的に、平成2年に、人骨は全て愛知県の男性のものと断定され、一連の捜査は終わります。
昭和59年の行方不明者が、5年後に動物に食われた後などを残す人骨となって発見され、
近隣に男性のものしか遺留品が見つからなかったことで、遭難被害者は男性1人ということでの幕引きでした。
女性と鑑定されたのは旭川大学の鑑定ミスだったのでしょうか?それとも・・・
謎③カセットテープ

遺留品として見つかったカセットテープには、『超時空要塞マクロス』と『魔法のプリンセス ミンキーモモ』の主題歌が入っていたそうです。
どちらも昭和57年に放送されています。(魔法のプリンセス・ミンキーモモは、平成3年にも放送されています。)
そのカセットテープに、変わり果てた姿で見つかった遭難者のものと思しき、SOSの声が録音されていました。
ゆっくり行間を置いた話し方は、大声で叫んだかの様な印象があります。
実際空に向かって叫んでいたところを偶然録音してしまったのか、
声を出す体力がなくなった時の為に録音して使用するつもりだったのかもわかっていません。
ただ、木材でSOSサインを作って救助を待つシーンが『鉄腕アトム』に出てきたことがあるそうで、
アニメ好きだった遭難被害者が、『鉄腕アトム』のそのシーンを参考にしたのではないか?
それにしても、結構な労力が必要だなどと、さまざまな憶測を呼びました。
北海道SOS遭難事件の残る謎まとめ

①昭和59年に遭難届が出された際に、捜索は行われたのか?
②昭和62年に林野庁が空撮を行った際はSOSの文字に気が付かなかったのか?
③男女の人骨だったものは、量的にも1人だったとすることが出来たのか?
カセットテープの音声も、5年も雨風晒しだったであったと思われる割には綺麗に残っていますよね。
被害者が居ない今、結果的にはあらゆる謎が残って当然です。
平成に差し掛かっているものの、捜査はもちろん、コンプライアンス的にも
今よりもっとユルい時代。うやむやなことはまだまだ多そうです。
世界のなんだコレ!?ミステリー関連の人気記事はこちら

