スリランカ政府が『破産』を宣言しました。スリランカって聞き馴染みがあるのはセイロンティーとかお茶で有名だからですかね?聞き馴染みがある割には、どんな国かあまり知らないなと思ったので調べてみました。そして、国は破産を宣言するってどういう状況なのでしょうか?日本は大丈夫なの?正直者はお馬鹿を王道で行くコロン8が、僭越ながら子供でもわかるようにまとめてみました。
という事で、過去に破産を通り越して破綻した国についてもみていきたいと思います。
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スリランカ『スリランカ民主社会主義共和国』はインドの端っこに浮かぶ島国です。
面積は九州の1,8倍・人口密度もほぼ同じくらいです。(イメージしやすいですか?)
神秘的な名所や、世界遺産も多く、観光が最も盛んな国です。
https://smartlog.jp/137531
例えば、『シギリアロック』は大きな岩の上に宮殿があるそうです。
他にも、洞窟の中に寺院があったり、国民の7割が仏教徒なので、古い宮殿や寺院が大切に保存されているようです。
スリランカには言語が2つあり、国民の3/4がシンハラ語を使用するシンハラ人、1/4がタミル語を使用するタミル人です。
この言語の分断の発端は紀元前に遡ります。
先にスリランカに上陸したのがシンハラ人、のちにタミル人が移住してきます。
そして小さな島ながら、農産物などの資源も豊富だったのでしょう、16世紀にはポルトガルが植民地に、17世紀にはオランダが植民地に、18世紀にはイギリスが植民地化を進めます。その間の1942年にはイギリスの植民地下にあったスリランカ(当時の国名はセイロン)は、イギリス海軍と日本海軍の戦闘『セイロン沖海戦』で日本軍の空爆も受けています。
戦況によっては日本になってた可能性もあるかもしれませんね。(0ちゃうやろ・・・可能性の話やし)
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1948年には独立を果たしますが、国名が今のスリランカ民主社会主義共和国に戻ったのは50年前の1972年。シンハラ人とタミル人の対立は、植民地時代も独立後も変わらず、民族対立は内戦にまで発展しています。紀元前からの根強い対立を収められるほどの政治力も無かったのが実際のところなのでしょうね。
近年では2004年にスマトラ島沖地震の津波の影響を受け、死者が3万人出ています。
災害を受けてなお、民族対立は続き、それでも人口で優勢のシンハラ人が大統領になります。中にはタミル人への強硬姿勢を強く持つ大統領も生まれるので、常に揉め事が付きものになります。
内戦が終結されたのは2009年のことです。
長らく続く不安定な情勢に、追い打ちをかけるように2020年新型コロナウイルスの世界的流行が発生します。スリランカはかんこぅが主要産業になっていた為、観光収入が完全にストップします。内戦の末、2000年にはスリランカでは自国での資金調達に行き詰まり、対外での借入で復興や成長を目指してきました。その結果、国内の収入のストップと共に債務の返済ができなくなりました。それに加え、現在の物価高騰は世界的です。現在スリランカで起こっているインフレは輸入インフレです。収入がないところに輸入インフレ(怖)
観光以外にほとんど外貨も入ってこないスリランカが破産するであろうことは目に見えていたようです。
現時点ではデフォルトではなく、破産状態です。例えデフォルトが起きても無政府状態にはなりません。スリランカでは来年には今以上に厳しいインフレが起こると言われています。インフレに伴って収入が上昇するようなインフレだったら先行きも見込めますが、現在起こっているのは『輸入インフレ』
これはウクライナの問題によって日本でも同じことが起こっています。
スリランカでは2021年12月に、外貨の不足を理由に特産品である紅茶と石油を物々交換する取引がイラン政府との間で合意されたそうです。
紅茶でもらえる石油ってどのくらいなんでしょうね。ガソリンスタンドに長蛇の列ができていたと言うことから容易に想像できますね。
今後、IMF支援による計画に沿って債務再編を目指すとしているが、デフォルトは避けられないとみられる。
日本総研
ではデフォルトとなると国が他国からの信用を失うのはもちろんですが、国民はどうなるのでしょうか?
インフラや行政サービス等が資金不足でストップします。国が債務を返済するために、個人の預貯金や資産も没収される可能性があります。燃料不足により、電力や輸送、製造業など多方面に影響が出ます。
供給コストが上がり、さらにインフレが加速します。
当然ながら生活環境は悪化します。
国際通貨基金(IMF)では資源輸出国と、資源輸入国との国益にかなりの差が出ているとしています。
輸入インフレを起こしている国は少なくないようで、インドやフィリピン、タイ、韓国なども財政赤字が進んでいるそうです。
JTB
2015年ギリシャが破綻した簡単な理由は、労働者の1/4が公務員。そして充実した年金制度は55歳から始まり、所得代替率も9割を超えていたそう。なんとも国民に手厚く、裕福な国に見えていたのが、実は蓋を開けたら大赤字だった!という楽天的な失敗に見える内容でした。(楽天国家なのか、もともと経済破綻状態が普通だったようです)結果、ギリシャ危機後は増税。年金改革などを中心の財政の健全化に乗り出しましたが、もちろん景気は落ち込み、大規模なデモや暴動も起きました。
混乱しましたが、2014年にはなんとかGDP成長率もプラスに転じ、今に至るようです。(これはギリシャ国民の努力意外にありません)
一方、ベネズエラのデフォルトは政治による経済政策の失敗です。2018年、268万%のハイパーインフレによって、国民は何一つものを手に入れることができなくなりました。これはつまり。昨日あった268万円が、朝起きたら100円の価値しかない・・・昨日は車も買えそうなところまで頑張って貯めたのに、その大金が今日はアイスクリームが買えるかどうか・・・ってことです。
スーパーインフレの中でもこれほどの物価高は現在のところ、これ以上は存在しません。
価格や為替レートの非現実的なレベルでの固定、外貨統制、企業や農地の接収などが、農業や製造業の投資を抑制し生産縮小を招いた。国内供給の不足分を輸入品に依存する構造ができあがっていたところに、石油価格の下落や産油量の縮小、対外債務の支払いなどで外貨不足が深刻化し輸入が困難になったことが、現在の食料や医薬品の欠乏の理由である。
Ide-jetro
国民から仕事を奪い、国内の需要を海外に頼る。普通では理解し難い状態です。
ベネズエラは常に国民そっちのけの政治を行ってる印象があります。国民は実験材料にされているかのような。そんな状態なので、国民の1割は海外に逃げ出すほどなのに、他国からの医療や物資の人道支援にも応じず、
大規模停電などで多くの国民が命を落としているようです。この国の再建は本当に難しいかもしれませんね。
2004年、約353億円の負債に対し、市税年収が9億ほどだった夕張市エネルギーの変革により、主に炭鉱業で成り立っていた夕張市は時代の置いてけぼりになっていました。炭鉱に代わる産業として、観光業の整備に尽力しますが、これによって財政状況が悪化。市職員の給与削減や、各種手当の見直しも虚しく、人口は減少、当たり前のように市民の高齢化は進み、水道料金などの公共料金もかなり高額となっています。令和8年に完済予定で進められている債務計画も、市税収が年間10億円いかない中で、40億の支払いとなると想像がつきません。夕張市の場合は事情も特殊ですが、日本がここを梃入れしないのはなぜでしょうか。ある意味日本の問題の縮図かもしれませんね。
日本も戦後1946年に、旧円から新円に移行する際預金封鎖が行われたことがあります。国民が1ヶ月に引き出せる預金が制限されたその背景には、戦争中に大量の国債の償還や、兵士たちの恩給のために、
大量に紙幣を刷った結果、かなりのインフレが起こることが予見されたための強行的な対策でした。
2030年には日本もデフォルトを起こすという一部の見解もあります。
それでも、私たちは物価の高騰に嘆くくらいしかできることがないのでしょうか・・・
参考・参照元
ベネズエラ危機の真相――破綻する国家と2人の大統領 坂口安紀
夕張市商工会議所『財政破綻と再生』
日本総研 『スリランカ危機が示唆するアジア経済のリスク』
インフレ ギリシャ危機 スリランカ デフォルト 夕張市 日本 破産
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