過去生の記憶を持って生まれて来たという話は、不思議ですが結構耳にしますね。過去生の記憶の話は、特に子供の事例が多いのですが、大人になるにつれてその記憶が薄まっていく場合が多いからだそうです。ここでは成人しても尚、鮮明に過去生の記憶を持ち、自分の前世の終末に抱えた不安を解消しようと奔走し、実際にその無念を晴らした、イギリス人女性ジェニー・コッケルさんの実話です。
(『世界のなんだコレ!?ミステリー』2022年11月16日放送分)
1953年、イングランドで生まれたジェニーさん。幼少期に繰り返し同じ夢を見ます。その夢の中では、幼いジェニーは病床に着くメアリという女性だったそう。
今にも死に至りそうな状態の中で、呼吸も苦しく時間の感覚も無くなるような感覚のメアリになっている夢。
小さな子供がそんな夢を繰り返し見るなんて、それだけでも心配ですが、幼いジェニーが見るメアリの夢は、その身体的な感覚だけではありませんでした。
「私が死んだら、子供たちの面倒は誰が見るの?もう子供たちをこの手で抱きしめることはできないの?」
幼いジェニーは、死の恐怖と子育てができない、まだ親の手が掛かる子供を置いて先立つ罪悪感に苛まされ流感情を抱いたのだとか。
(流石に幼少期にそんな感情になるなんて、普通の感覚ではありえないので、やはり過去生の記憶なのでしょうか?)
この夢に対して、さほど疑問も持たなかったある日、4歳になったジェニーは母と教会へ行った帰り、母にこんな質問をします。
「教会では、生死のお話はするのに、どうして過去生のお話はしないの?」
流石にこんな質問を4歳児にされたら驚きますね。もしくは、難しいこと知ってるな!天才か!とツッコミを入れてしまいそうです。ジェニーの母親は、我が子の質問を特に否定することもなく、「あまり一般的ではないからよ」と、上手に受け答えしてくれたそうですが、ジェニーは自分にとっては既に過去生の夢が当たり前になっていたので、
一般的なことではないことにはショックを受けたようです。
メアリ・サトンは、1898年あたりにアイルランドに生まれ、ダブリンの北部・マハライドで生活していたようです。ジェニーの記憶では、1898年頃から、1930年代までの生涯だったようです。
ジェニーがメアリの記憶で描いた実際の地図が残っています。
ジェニー・コッケル氏の事例(後述)
マラハイドで、足場職人として働く寡黙なご主人との間に、8人の子供をもうけ、石造りの平家建てで、庭とは言えないほどの土地で野菜を育て、
黒い犬や家畜にも囲まれながら賑やかに暮らしていたそうです。
メアリは長い黒髪を家事の際は束ね、暗色のブラウスにロングスカートという出立ち。
アイルランドは、イギリスからすればお隣の国ですが、ジェニーが生まれた1850年代はインターネットはもちろん、書物もさほど多くない時代。
単に虚言で済まされるようなものではなさそうです。
ジェニーのある日のメアリの記憶では、寒空の中、マハライドの波止場で誰かを待ち続けていたそうですが、誰を待っているのかは思い出せませんでした。 その後、ジェニーは学業に、就職、結婚と、目まぐるしく変わる環境の中で、次第にメアリのことについて考える時間も減っていました。そしてジェニーは2人の子供にも恵まれ、自分の年齢が30代に近づくにつれ、忘れかけていたメアリの思いが蘇ります。「自分(メアリ)の子供たちに会いたい・・・」ジェニーの子供たちは何不自由なく暮らしているのに、私の過去生の子供たちはその後どうなったのだろう?と、自責の念が再燃します。1980年ジェニー(27)は近所に出来た新しい書店に、マハライドの地図を注文します。取り寄せた地図と、自分が書いた地図を照らし合わせ、夢か絵空事にしては強烈な過去生の記憶が核心へと変わります。
周りの協力もあり、ジェニーはついにメアリの死亡証明書と結婚証明書に辿り着きます。
「やっぱりメアリは居たんだわ!」早速マハライドに向かったジェニーを待ち受けていた光景は、随分と変わっていました。
メアリの没後から50年以上経過しています。街並みは変わって当然。
子供たちと過ごした小屋は取り壊され、なじみの肉屋さんは窓が変わっていました。誰かを待った波止場は木製からコンクリートに変わり、街並みは変わっていたものの、
メアリが生きた、その場所は間違いなく存在しました。
ジェニー・コッケル氏の事例(後述)
ジェニー・コッケルの過去生にまつわる調査は、さらに進み、メアリの長男であるソニー氏に辿り着きます。ソニー氏はメアリが波止場で誰かを待っていた話に対して、
「僕が近くの島でゴルフキャディーのバイトをしてた時、よく波止場まで迎えに来てたよ」
という思い出話をしてくれたそうです。ソニー氏の子供の頃の記憶では、「野うさぎを捕まえていた」といい、これに対し、ジェニーが「あなたが11歳くらいの時、罠に野うさぎがかかったというので、家事で濡れた手を拭いて子供たちを追いかけて見に行ったら、野うさぎがまだ生きていた」と話し、ソニーは、「そうだった!」と詳しくその時の状況を思い出した。
話を進める中で、ソニー氏もジェニーがメアリの生まれ変わりであることを確信しました。
ソニーとジェニーの会話で見つかった共通点石造りの一家が暮らす家の特徴1・通りの左側の最初の家2・入口は道沿いでは無い3・窓が小さかった4・兵士の写真が飾ってた(父が戦争へ行った時の写真)5・借家で持ち主はマック(ソニー氏はマックマホンだと言いました)6・父親の仕事(ジェニー・材木を扱い、技術のいる仕事)(ソニー・足場職人)7・子供は8人(ジェニーの記憶は8人くらい)8・教会に一緒に出かけたなど・・・
イアン・スティーヴンソンの弟子であるジ ム・タッカーは、子供が語る「過去生」の記憶 の強さを測る尺度、事例強度尺度(strength-of- case scale, SOCS)を提案している。
「過去生」の記憶を持つ成人〜ジェニー・コッケル氏の事例
記述によると、これまでに語られた過去生の799例を分析し、統計的に22の指標がまとめられ、それに基づいてジェニーさんのような事例を研究している機関があるそうです。その中には、身体的に似たような傷(過去生と同じようなもの・アザなど)の有無や、趣味・思考・言動・恐怖症といった感覚的なもの、もちろん過去生人物の特定と、過去生人物との生活環境や、社会的地位の相違なども含まれます。
見えないものの科学的検証といった感じですが、科学はもともと見えないものを見る力ですもんね。
毎日のようにたくさん入ってくる情報で、顕在意識がいっぱいになり、潜在意識なんて思い起こすことはほぼ不可能です。(いろんな訓練があるようですが)私は『奇跡体験アンビリーバボー』で一時期話題になった催眠療法氏の某先生と交流があり、試しに催眠療法で過去生を見てみるというセッションを受けたことがあります。私の過去生、有名人とか、偉人だったらどうしよう!!と思ったにも関わらず、私が見た過去生は、何処か異国の孤児でした。お腹が空いてるのかすらの感覚も麻痺し、街中を彷徨い・・・名前のイニシャルをなんとか思い出した程度でしたが、彼に人生はあまり良いものではなかった印象です。当時のブログが知らない内にまとめサイトに載っていて驚いた記憶は、現生のものです。というわけで、今回は過去生のメアリの記憶を持つジェニー・コッケルさんについてお送りしました。尚、ジェニーさんは2000年に47歳の若さでこの世を去っています。メアリの死亡年齢が30代前半と推定されていますので、どちらも比較的短い気がしますね。
今も世界のどこかでジェニーさんの生まれ変わりがいるかもしれません・・・
〜参考文献〜
「過去生」の記憶を持つ成人〜ジェニー・コッケル氏の事例
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